いつもお世話になっております。プロテイン工房の山本です。
コロナ問題で世の中が不安定な状況ですが、少しだけ嬉しいご報告をさせて頂ければと思います。
弊社(プロテイン工房)は、プロテインの製造卸業ですが、その主たる営業目的は、プロテイン販売を通じて世の中の健康ニーズに応えることと、「知的障碍者の方の工賃向上と安定化」です。
弊社のプロテイン製造は、宮城県登米市にある「はらから福祉会 登米大地」(就労支援施設)に委託しておりますが、ここに通所される障碍者の方々の工賃(実質的な報酬)を向上させること、そしてこの活動が他の施設や社会に対して何かしらのインパクトになればと思い、私は活動しております。
※弊社がプロテイン製造の仕事をとり、登米大地さんに依頼します。その製造代金が知的障碍者の方々の工賃となります
さて、弊社がプロテインの製造を依頼している登米大地さんの、2019年度工賃が月平均で45,000円を超えることができました。
この金額は宮城県内でおそらく上位6位以内(200施設中)で、全国平均(16,000~17,000円くらい)よりも、かなり高い水準になっております。
もちろんこの金額は弊社だけではなく、複数の案件を同時進行し、骨身を惜しまず働いている登米大地の職員の方々の、たゆまぬ努力によって成しえた偉業です。弊社はほんの少しだけお手伝いさせて頂いているにすぎません。
知的障害をもつ方々をとりまく就労状況をご存じの方なら、この45,000円と言う金額がいかに困難であるかお分かりになるかと思います。
これもひとえに、ご理解のある取引先の皆様のおかげでございます。まずは御礼申し上げます。
もちろん最終目標は、知的障碍者が自立して暮らしていけるだけのお金を稼いでもらうことです。その額は月70,000円と見積もっておりますが、そこに到達するには、もっと努力と工夫をせねばと考えております。
引き続き、皆様のより一層のご支持を頂戴できればと存じます。よろしくお願いいたします。
さて、話は少し変わりますが、知的障碍をもつ方々は、どのように生きているのか?ということを、このコロナで大変な時期に、あえてご説明させて頂ければと思います。自分なりに人として大切なことを書いたつもりです。少々長くなりますが、どうぞ最後までお読みいただければと思います。
まず、知的障碍者の多くは養護学校等を卒業後、一般就労するか、就労支援施設に通所するか、家にいるか。この3択となります(もちろん進学される方もいるかも知れませんが私は知りません)。
理想的には就労支援施設に通所して職業訓練を受け、一般就労をするのがよいのでしょうが、残念ながら訓練を受けたからと言って、必ず一般就労できるかと言うとそれは難しく、
現実的には就労支援施設に通い続けて工賃を獲得することになります。ただし、施設にも通えず家にいるだけという重度の障碍者も多いらしく、就労支援施設に通って社会とのつながりを持てるなら、まだ良い方だと聞きます。
私は知的障碍者に関わってから日が浅く、制度や歴史については聞きかじり程度しか知りませんし、一面的な考え方かも知れませんが、
この業界に少しだけ関わってみて感じたのは、知的障碍者の一般就労が進まないのは、障碍者の能力不足と言うよりも社会の無理解や経験不足、また逆に障碍者を支援する側の想像力や工夫不足に要因があると考えています。
現代日本において知的障碍者の人生は、常に先行き不透明で、ちょっとの出会いや運みたいなもので大きく左右されてしまう可能性が高く、もし出会いに恵まれず、周囲に理解されなければ、彼らは社会との接点も持てず、孤独に生きて行くほかないのです。
今日もどこかで、何十年と一人ぼっちで暮らす障碍者の方がいるかも知れません。あなたが知らないだけで。
いずれ保護者は先に死んでしまいます。その後、彼らはどのようにして生きて行くのでしょうか。その結末を知っている方は、今の日本にどれだけいるのでしょうか。
さて、いまコロナ問題で世の中が不安になっています。職を失う方、収入が激減する方、たった一人、家で孤独に過ごす方。とてつもなく不安だと思います。
しかし考えてみて下さい。知的障碍者は、いつもこのような不安定な状況の中で生きているのです。今あなたが感じている将来の不安、孤独を彼らはいつも感じているとしたら…
だからこそ、この不安な状況の中にあって、今一度、考えて欲しいことがあります。健常者の皆様でさえ、自分の努力だけで人生を変えることができるでしょうか。あなたの社会的地位は、本当に自分だけの努力だけで得たものでしょうか。周囲の協力や、運みたいなものにも大きく左右されてはいないでしょうか。
今の日本は、たったひとつボタンを掛け違えるだけ、ちょっとした運命のいたずらで底辺へと追いやられ、人並みの生活を送ることさえ難しくなってきています。もしかするとあなたの友人も密かに涙を流しているかも知れません。
だからこそ、こんな時だからこそ、人のことを思いやり、想像し、声をかけあい、助け合う必要があるのではないでしょうか。
ほとんどの人は、自分がその立場にならないと、弱きものの痛みを知ることはできません。私はコロナと言う今世紀最大の疫病によって、世界中が大変な事態に陥っている今だからこそ感じられることもあるはずだと考えています。
コロナが今後、どうなるか分かりません。どちらかと言うと私は悲観的な見方をしていますが、あえて書かせて頂きました。
最後に、私が言いたかったことは、弱き者のことを思い、助け合いながら、強く共に生きて行こうと言うことです。そして世の中のことを他人事ではなく、自分のことのように考える人が増えることを切に願っております。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
プロテイン工房 代表 山本圭一
※お知らせ
工場から感謝の気持ちとして、期間限定ではございますが、ご注文の際に値引き率を上げてご対応させて頂いております。どうぞ、この機会にご注文頂ければと思います