男女ともに平均寿命が80歳を超え長寿の国となっている日本では、年々健康寿命への関心が高まっています。
WHO(世界保健機関)によると「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と健康需要が定義されており、平均寿命と健康寿命との差は、日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味します。
厚生労働省の調査によると、平均寿命と健康寿命の間には男性で約9年、女性では約12年の差があります。これは健康上の問題で日常の生活が制限される期間が約9~12年あることを意味しています。日常の生活が制限され、さらに悪化すると、支援や介護が必要になる可能性が高くなります。
要介護の原因となりうる「ロコモ」とは
そんな高齢者の健康問題として近年特に大きな問題となっているのが「ロコモティブシンドローム」です。
骨や関節、筋肉などの衰えが原因で立ったり歩いたりといった移動機能が低下している状態を指し、自動車やエレベーターなどを使う現代では自分の足で立って歩く機会が昔に比べて減少しているため移動機能が衰えやすいと言われています。
あまり知られていないことですが、要支援、要介護になる原因のトップは転倒、骨折や関節の病気などロコモティブシンドロームに関連した症状なのです。
ロコモ予防には運動だけでなくたんぱく質が必要不可欠
ロコモティブシンドロームを予防するためには、運動習慣をつけるだけでなく、筋肉や関節の衰えを防ぐたんぱく質を日頃からしっかり摂る必要があります。
たんぱく質は筋肉量・筋力を維持する作用があります。また、骨というとカルシウムのイメージが強いですが、それだけでなくたんぱく質もなければ骨はつくられません。たんぱく質を摂取することで筋肉や骨を強くし、年齢を重ねても元気に日常生活が送れる体を維持することができるのです。
たんぱく質と聞くと若い世代が筋肉をつけるためのものとイメージしがちですが、高齢者であっても体重1㎏あたり1-1.2gのたんぱく質を摂る必要があります。
小食になりがちな高齢者こそプロテインを
しかし、年齢とともに食べる量が減りがちな高齢者にとって、このたんぱく質量を食事だけで確保するのは非常に難しいのです。
ご飯に汁もの、野菜のおかずと少しの魚といった献立が多い高齢者の食生活ですが、このような食事では1日に約30gしかたんぱく質が摂れません。
魚の切り身1切れに含まれるたんぱく質が10-15gのため、体重50㎏の人であれば1日に4切れも魚を食べなければなりません。もちろんご飯や野菜も欠かせませんので、食事だけで必要なたんぱく質をすべて摂るのは非常に大変です。
その点プロテインはグラス1杯(200ml)分でたんぱく質が20g摂れるため、水分補給の感覚でたんぱく質をしっかり摂ることができます。
また、プロテインは保存食としても優秀で、正しく保管しておけば未開封なら1年間、開封後であっても1ヶ月間はおいしく飲むことができます。まとまった量のプロテインを常備しておけるので、なかなか頻繁に外出できない人が多い高齢者にとって大きなメリットと言えます。
1日の食事例
朝食:ご飯、みそ汁、納豆、卵焼き、プロテイン1杯
昼食:ご飯、みそ汁、野菜炒め、焼き魚
夕食:ご飯、みそ汁、サラダ、焼き魚